この前、高校時代の部活同期と飲みに行った(ぼくは飲んでいないけど)。
そこでふと、話題が「小説の強みってなんだろう?」に。
映画や漫画といった非活字メディアがあふれ返る今日、もはや小説や新聞のような文字媒体は隅に追いやられているんじゃないのか。なにせ、文字でたらたらと説明しなきゃいけないことでも、映画や漫画は一瞬で提示できてしまうのだから。
たとえば、
彼の目は青く透き通っていた。宇宙の創生を見とどけたかのように。
という文よりも、画像をバーンと示したほうがスピーディーな情報伝達ができます。
この問題はぼくにとって切実なものです。
ブログもやっているし、小説を読むのも書くのも好き。
でも、文字媒体がオワコン化していってしまうのであれば、果たしてぼくの営為にどれほどの意味・強みがあるのか、わからなくなってしまいます。
文字媒体の強みって?
「それじゃあ文字媒体の強みって何よ」。
「「映像・画像でおk」と言われてしまわないような、文字主体の媒体ならではの強みって何よ」って話です。
①「展開の効率性」が高い
同期の出した答えは、「少ないページ数で展開を進められる」こと。
漫画だと、どうしても絵の関係で展開を早めることは難しい。
映画でも、どうしても映像で展開を見せなければいけないから難しい。
けれど、小説は数行だけでかなり前に時間を進めることができるし、展開も進めることができる。
つまり、文字媒体は「展開の効率性が高い」というわけです。
②読み飛ばし・読み返し・中断がしやすい
次に、文字媒体は「受け取り手が強い」。
もっと具体的に言うと、「読み飛ばし・読み返し・中断がしやすい」。
動画だと、必要な情報を探すための「流し読み」がなかなかできません。
映画館で「あれ? あのときになんて言ってたっけ?」とか言って巻き戻しするなんてできませんよね。
でも、文字媒体(と漫画)の場合は、必要な箇所だけ探したり、読み返したり、いったん読むのを止めることができる。
この「受け取り手の強さ」は、かなり大きな差異でしょう。
③一人称視点が使える
小説やブログでは、一人称視点で物を語ることができます。
これにより「信頼できない語り手」や「叙述トリック」、「濃密な心理描写」を扱うことができるのです。
映像や漫画だと、どうしても三人称視点になってしまいます。
そのため、「視点の人物を通したものの見た目」をそのまま扱うことが難しい。
というか、それをやると何がなんだかわからなくなってしまう(不可能ではないけど)。
他方、たとえばカズオ・イシグロの小説は「一人称視点の特殊性」を活用したものばかりで、「信頼できない語り手」や「濃密な心理描写」がフルに登場します。
(『わたしを離さないで』はそういう意味で傑作ですね)
一人称視点ってやっぱり、誰かの頭の中を見られるのがいいですよね〜〜。まあ、三人称視点でも描けますが、それは映像ではできないですしね(漫画はできる)。
このように、文字媒体は一人称視点を扱える点が強みでしょう。
まとめ
以上のことをまとめると、文字媒体の強みは次のようになります。
- 少ないページ数で展開を進められる
- 読み飛ばし・読み返し・中断がしやすい(ただし漫画も同じ)
- 一人称視点が使える
これらを念頭においた上で、ブログや小説を書いていこうと思います。
以上、みんなすばるでした。
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