「淫夢ネタでブヒブヒ言ってるキモオタ、死んでほしい」
――とあるゲイの友人
「ホモ」を「ゲイ」と入れ替えれば何を言ってもいいと思ってるひと、いますよね。
そういうひとを見ると、「あのさぁ…」という気持ちと「あっ…(察し)」という気持ちが半々。ま、多少はね。しょうがないね。
みんなすばるです。
さて、とあるゲイの友人が所属するサークルでは、「淫夢ネタ」で盛り上がる人たちがいるらしいのです。しかし友人は淫夢ネタが嫌いです。そのため、嫌悪のあまり、「淫夢ネタでブヒブヒ言ってるキモオタ、死んでほしい」という愚痴をこぼしたのでした。
この愚痴を聞いたぼくは、「淫夢ネタとゲイ」のややこしい関係に想いをはせざるをえませんでした。

淫夢ネタとゲイは、そこそこややこしい関係にあります。
「完全にゲイ差別だ」「絶対にゲイを傷つける」とは言えないけれど、「絶対にゲイ差別ではない」「ゲイは絶対に傷つかない」ともいえません。
また、体感ですが、淫夢ネタはゲイの中でも賛否両論、だいたい五分五分くらいです。

淫夢ネタの中にも「不快ではない」淫夢ネタがある、とゲイながら思います。
そこで、淫夢ネタの面白い部分を保存しつつ、隣にいる(かもしれない)ゲイの友人を傷つけない「淫夢ネタの作法」を考える価値はあるんじゃないでしょうか。
そこでここから数日間、「ゲイ東大生が、淫夢ネタについてまじめに考えてみた。」シリーズを投稿していこうと思います。
構成は次の通り。
- この記事:「淫夢ネタ」とは?
- 次からの記事:特定の「淫夢ネタ」はゲイを傷つけるか? そうではないのか?
(修正 2018/07/05:当初は1つの記事の予定でしたが、計画を変更し、複数回に分けます)



- 最後の記事:となりにいるゲイの友人を傷つけない「淫夢ネタ」の作法とは?


淫夢ネタとは
皆さんは「淫夢ネタ」をご存知でしょうか。
[ゲイ]ビデオ[=男性同性愛者向けのアダルトビデオ]の台詞をスラングとして使うコミュニケーション作法、そしてビデオ映像や音声、キャプチャ画像を素材として加工した映像・楽曲・文章などの創作物からなる文化圏の総称を、「真夏の夜の淫夢」、あるいは単に「淫夢」と呼ぶ。
「野獣先輩は淫らな夢を見るか?――〈真夏の夜の淫夢〉概説」(331)より
簡単に言えば、
「淫夢ネタ」とは、
〈ゲイビデオ『真夏の夜の淫夢』とその関連作品や、それらの二次創作動画を投稿・視聴して面白がること + それらにまつわる言葉を面白がる、という「ネット文化」の一種〉
です。
もっと言ってしまえば、「日本のあらゆるインターネット回線を跨いだ内輪ネタ」です。
〈「淫夢動画」を投稿・視聴すること〉と〈「淫夢語録」を使うこと〉。
「淫夢動画」とは
「淫夢動画」とは、ゲイビデオ『真夏の夜の淫夢』とその関連作品 + それらの二次創作動画のこと。
これらを作ったり見たりして、内輪ネタ的に盛り上がる、というのが定番の流れです。
個人的にあまりここにリンクしたくないので、気になるひとはググりましょう。
ここでとりあえずわかってほしいのは、「淫夢動画」は基本的にゲイビデオの男優(の演技)を面白おかしく加工したり、それについてコメントしたりしている、ということです。
「淫夢語録」とは
「淫夢動画」にちなんだことばの群のこと。
具体的にどのようなものかというと、たとえば以下のものになります。
- あのさぁ…
- あっ…(察し)
- ま、多少はね。
- しょうがないね。
- あぁ~いいっすね~
- あくしろよ
- (同性同士の性行為を指して)きたない
- (同性同士の性行為を指して)くさい
- ありがとナス!
- いいよ!来いよ!(114514)
- えっそれは…(困惑)
- これもうわかんねぇな
- すいません許してください!何でもしますから!
- ん?今何でもするって言ったよね?
- そうだよ(便乗)
- たまげたなぁ
- は?(威圧)
- まずいですよ!
- やったぜ。
- やりますねぇ!
- (その他、「〇〇〇〇(棒読み)」みたく(呆れ)(迫真)などをつけるやつ)
- (その他多数、「淫夢語録」のリストは100を超える。膨大だ)
参考①:【2018年最新版】日常会話で本当に使える淫夢語録30選 | 蓬莱の幻想 アニメ模写館
淫夢語録は、「あいことば」みたいなもの。
これで会話したりすると、内輪ネタ的に盛り上がれるのです。
たとえば、こんなふうに:
何が面白いんだ? と思う人もいるでしょうが、内輪ネタは内輪にしか面白くないものです。
とりあえず、今回は以下の点をおさえておきましょう。
- 「淫夢ネタ」とは、〈淫夢動画〉と〈淫夢語録〉からなる。
- 「淫夢動画」とは、ゲイビデオ『真夏の夜の淫夢』とその関連作品、+ それらの二次創作動画。
- 「淫夢語録」とは、「淫夢動画」にちなんだことばの群

おわりに
さて、今回は「淫夢ネタ」を簡単に説明してみました。
次回からは、ゲイから見た「淫夢ネタ」について考えていきます。

以上、みんなすばるでした。
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※淫夢ネタについてより詳しく知りたい方は、以下の外部記事へ。