『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』(著・石田仁)が2019年2月に出版された。筆者もやっと読めたのだが、これがめちゃくちゃ良かった。
どういうところが良いかというと、
- 見開き1ページで、1テーマを簡潔に解説
- 図解やフローチャートなどでわかりやすい
- LGBTの「今」が網羅されている
- 今まで触れてこられなかった話題(既存のLGBT人口調査の難点・LGBTへの調査のやり方)も盛り込まれている
- 通読もできるし、辞典的にも使える
というふうに、めちゃくちゃ多くの内容と工夫が込められているのだ。限られた紙幅でも十全な解説になっていて、かつ色々な話題にもタッチしている。
『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』は、LGBTの勉強をしている人にとって相当贅沢な一冊だ。
(2023/03/31 21:04:48時点 Amazon調べ-詳細)
『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』の魅力
見開き1ページで、1テーマを簡潔に解説

写真は、テーマ「最近よく見聞きする「LGBT」とは?」のページ。
上のように、『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』は、ひとつのテーマを見開き1ページで扱う。解説は、文章と図解の2つを組み合わせてなされている。
図解やフローチャートなどでわかりやすい


『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』は、すこし頭が混乱しそうな部分も視覚的に整理してくれる。おかげで非常に読みやすい。
上の写真のページでは、「生殖補助医療を用いて子どもを授かったとき」というテーマを扱っている。3つの異なるパターンの嫡出推定を比較するために、図をつかってわかりやすくしてくれているのだ。
涙が出るほど親切……。
LGBTの「今」が網羅されている
この本の章立ては、次のようになっている。
第1章 自分の性をどう伝える? 周りはどう受け止める?
第2章 どうしたら学校は過ごしやすい場所になる?
第3章 性的マイノリティの心と体の健康
第4章 性的マイノリティを取りまく法律上の問題を考える
第5章 性的マイノリティの市民生活と課題
第6章 何のための「LGBTビジネス」か
第7章 性別と科学の関係を深く知ろう
第8章 これまで十分に語られてこなかったセクシュアリティのこと
特別編 LGBTについて調査・研究するとき
上からわかるように、『はじめて学ぶLGBT』はLGBTにかかわる教育・健康・法律・生活・ビジネス・科学について取り上げている。あらゆるジャンルが取り上げられているのがわかる。
今まで触れてこられなかった話題も盛り込まれている
世間の「LGBTブーム」では埋もれてしまう話題も、『はじめて学ぶLGBT』ではしっかり取り上げられている。
たとえば、電通のLGBT調査の代表性問題。
この本では、その信頼性に正面から疑義を呈している。
通読もできるし、辞典的にも使える

『はじめて学ぶLGBT』はテーマごとに細分化して解説されており、目次もそれに合わせて細かくページ数を示してくれている。
このおかげで、通読するだけでなくあとで辞典的に使うことも可能だ(そして脚注に引用元が示されているので、参考文献探しにも使える)。

『はじめて学ぶLGBT 基礎からトレンドまで』はこんな人におすすめ
以上のような魅力から、『はじめて学ぶLGBT』は次のような人におすすめできる。
- LGBTの意味をなんとなく知っているが、ちゃんと知りたい人
- すでにある程度知識をもっている人で、さらに知識をつけたい人
- LGBTの「今」を網羅的に知りたい人
- 長い文章を読むのが苦手だけど、LGBTについて知りたい人
(2023/03/31 21:04:48時点 Amazon調べ-詳細)
まとめ
- 見開き1ページで、1テーマを簡潔に解説
- 図解やフローチャートなどでわかりやすい
- LGBTの「今」が網羅されている
- 今まで触れてこられなかった話題(既存のLGBT人口調査の難点・LGBTへの調査のやり方)も盛り込まれている
- 通読もできるし、辞典的にも使える
- LGBTの意味をなんとなく知っているが、ちゃんと知りたい人
- すでにある程度知識をもっている人で、さらに知識をつけたい人
- LGBTの「今」を網羅的に知りたい人
- 長い文章を読むのが苦手だけど、LGBTについて知りたい人
この一冊で、LGBTに関する知識を底上げしていこう。
(2023/03/31 21:04:48時点 Amazon調べ-詳細)
>>『LGBTを読みとく』のAmazon低評価レビューが残念な件について