「〇〇したいけど、きっとダメだろうなあ」
「もっと自由に生きたいなあ」
この記事は、そんな方に向いています。
さて、突然ですが、みなさんは生きづらさを感じることはありませんか?
ぼくは生きづらさを感じます。
とくに中学生・高校生だった頃は、
「じぶんを受け入れてくれる人がいない」
「この人は受け入れてくれないかもしれない」
「男は女を好きじゃないといけない」
などと、じぶんがゲイであることに悩んでいました。
そのため、かなりの生きづらさを感じていました。

しかし、大学でいろいろ学んで、生きづらさはだいぶなくなりました。
そこで今回は、生きづらさを減らしてくれる哲学の概念、「ヒュームのギロチン」をご紹介します。
あなたの感じる生きづらさを、すこしでも減らせたらと思います。
生きづらさの本質は、「べき論メタボ」
「ヒュームのギロチン」を紹介する前に、まず「生きづらさ」とはなんでしょうか?
生きづらさの本質は、「期待メタボ」・「べき論メタボ」。
つまり、「私は〇〇であるべきだ」と思うことが多すぎるということです。
これは、生きづらさを感じやすい人の特徴を見ればわかります。
これらの特徴からわかるように、「生きづらい人」は自他の期待をスポンジのように吸収しすぎるのです。

「べき論ダイエット」で生きづらさを解決する
生きづらさを解決するのは簡単です。
生きづらさ=「べき論メタボ」なのですから、「べき論ダイエット」をすればよいわけです。つまり、キャパシティが許容できるだけの「べき論」に絞るのです。

そしてそんな「べき論ダイエット」を助けてくれるのが、「ヒュームのギロチン」。
ヒュームのギロチンとは
「ヒュームのギロチン」とは、
「世界はAだ」という「事実」から、
「世界はBであるべきだ」という「べき論」は導けない
という原理。
たとえば、
「ぼくは長男だ」という「事実」
から、
「ぼくは結婚すべきだ」という「べき論」
は論理的には導けない、ということです(下図参照)。

論理的に「ぼくは長男だから、結婚すべきだ」と言おうとすると、「長男は、結婚すべきだ」という別の「べき論」が必要になります(上図の真ん中)。でも、結局その「べき論」も絶対的なものではありません。
以上から、「べき論」は絶対的なものではないことがわかります。
このように、ヒュームのギロチンは「べき論」がときに空疎であると教えてくれるのです。
「事実」と「べき論」は、論理的につながっていない。
「べき論」は、絶対的なものではない。
なお、ヒュームのギロチンは、「ヒュームの法則」とも呼ばれます。
英語では「Is-ought problem」(である-べき問題)とも。
※ちなみに「ヒューム」とはスコットランドの哲学者「デイヴィッド・ヒューム(David Hume)」(1711-1776)のこと。
ヒュームのギロチンの効用・実用例
さきほど見たように、ヒュームのギロチンは「事実」と「べき論」をつよく切り離します。
これによって、多くの「べき論」は論理的には空疎だとわかりました。
つまり、「じぶんには対応できそうもないべき論は捨てる」という「べき論ダイエット」をするためのマインドセットが作れるのです。
それではここで、飲み会にいる下戸の太郎を例に取ってみましょう。
ここで太郎が(たしかに僕はお酒を飲まないし、介抱する義務があるか……)と思ったとしたら、彼はすでに「事実からべき論を導く」という間違いを犯しています。
きちんとヒュームのギロチンを適用するのだとしたら、

となるわけです。まあ、この場合はそこまで切実な問題じゃないかもしれませんが……。
でもたとえばLGBTの問題だったらけっこう切実ですよね。
「ぼくは男だから、女を好きにならなきゃいけないんだ……」
「人であるから、誰かを好きにならなきゃいけないんだ……」
という「べき論」に悩まされるゲイの人やアロマンティック(恋愛感情が誰にもわかない)の人もいるかもしれませんし。

でもヒュームのギロチンをもってすれば、
- 「男である」という事実から「女を好きになるべき」という「べき論」は導けない
- 「人である」という事実から「誰かを好きになるべき」という「べき論」は導けない
というふうに考えることができます。
「このべき論は、論理的な必然性はないんだ」と確認するツールとして、ヒュームのギロチンは使える。
まとめ
そんなわけで、この記事で確認したことは以下のとおりです。
- 「生きづらさ」とは、「べき論メタボ状態」のこと。
- 「生きづらさ」を解消するには、「べき論ダイエット」が必要。
- 「べき論ダイエット」には、「ヒュームのギロチン」が役立つ。
- ヒュームのギロチンとは、「事実」から「べき論」が導けないという原理。
- ヒュームのギロチンによって、「べき論」は論理的には絶対でないことがわかる。
この記事が、みなさんの生きづらさにすこしでも効いたとしたら、幸いの限りです。

以上、みんなすばるでした。
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