ゲイ・ジェンダー

「新元号の名前をいつまで知らないでいられるかチャレンジ」の結果

情報がまん延する現代にあっては、「何かを知る」ことはとても簡単なことだ。
しかし、「何かを知らないでいる」ということは難しい。かなり難しい。

そこでせっかくなので、「新元号をいつまで知らないでいられるのか」にチャレンジしてみた。

 

新元号発表の当日:朝

さ〜〜〜〜て。今日も一日、レッツ・天の邪鬼」、そう言いながら起きた。
清々しい朝だ。

布団の中でTwitterを開いてみる。そうしたら、こんな投稿をしている友達が。

「今日から、サークル内でのニックネームは『アンミカ』にします。よろしく〜〜」

は?
しかもご丁寧にプロフ画像もアンミカになっている。何を言っているんだ、この人は?

しかもその友達、何なら「ポジティブ脳」どころか「メンヘラキャラ」(ガチ)だぞ。それなのに「アンミカ」? 自分を鼓舞したいのか? いったいどうしたのだ。

まあいい。気持ちを新たにする上で、名前を変えることは確かに良案かもしれない。僕も「ポムポムプリン」に変えることを検討した。

……というふうに朝を迎えた。このイベントのせいで、その日の脳内は「新元号:アンミカ」=「2:1」くらいになってしまった。アンミカ恐るべし。

そうして僕は渋谷に向かった。バイトだ。

 

新元号発表の当日:昼

バイト。時計は11:30。

「新元号、発表されたか……」

そういえば気づいたが、今日は4月1日。エイプリルフールか……。

そこで僕は、早めにバイトの休憩に入り、僕と同じく「新元号知らないでいられるチャレンジ」をしている友人に次のようなLINEを送った。

僕
新元号
僕
永明
友人
友人
死ね
僕

昼ご飯を食べに外に出たが、通行人の会話や町中のスクリーンなどから新元号が聞こえてくるかもしれない。そう思った僕は村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を読みながら歩き、Lady Gagaをガンガンにかけた。

世間のみんなは新元号で騒いでいるかもしれないが、僕はこうやって騒いでいないのだ。ははーん」と謎の優越感に浸った。しかし新元号を知りたい気持ちは人一倍強く、もはや生ける「やせ我慢」状態だったことはここだけの秘密だ。

 

新元号発表の当日:元号を知るまで

新元号が発表される。つまり、平成が終わる。

平成が終わることと、僕が「大人」になること。
この2つは、どこかよくわからないところでつながっているように思えてならなかった。

平成が終わるとともに、僕は無責任な「こども」から強制的に「大人」になって、「社会」の一部になるのだ。それはどのようにしても変えられない、本質的で宿命的なことなのだ。

なーんて、村上春樹を読んでいるせいか、思ったりもした。

 

新元号発表の当日:元号を知る時

「日本中はもう新元号を知っているんだ……」とちょっと寂しくなったが、しかしここで折れる訳にはいかない。でも寂しい。

そんなわけで、画面を一メートルくらい離した状態でTwitterを開けて、ツイートした。

こんな感じ

 

「このツイートに対して新元号をリプしてくる不逞の輩がいるに違いない」、と思った僕はリプを断じて見ないことにした。確かに2人がリプをくれたが、僕は見なかった。

なお、後で見た所、リプをくれたうちの1名は「新元号をリプしてくる」とは別のベクトルで不逞だった。

さて、ここで僕は気を抜いてしまった。

ちょっと遊戯王の情報でも見るかな〜〜〜〜

僕は、遊戯王プレイヤーなら誰もが知っている「スターライト速報」を開いた。そして適当な記事を開いた。そしてコメント欄を見た。

すると


「令和記念カキコ」

ん……?

こうして「新元号を知らないでいられるかチャレンジ」は、クソ遊戯王プレイヤーのせいでくじけた。

 

「新元号チャレンジ」の結果

敗因は明らかだ。僕が遊戯王を知らなければきっと負けていなかったはずだ。そんなわけで、来世はヴァンガードでもやろうと思う。

さて、記録は以下の通りだ。

チャレンジ失敗時刻、13:45。

生存時間、2時間15分。

こうして僕は、現代の高度情報化社会において「何かを知らないでいられる」ことの難しさを遊戯王を通して思い知った。皆さんは、どのようにして新元号名を知っただろうか?

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